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業務提携で活路を開く方法

1. 企業間競争から企業間連携の時代へ

 先の見えない業況にあって、従来通りの営業を繰り返すだけで業績結果が伴わない。自社の商品やサービスには絶対の自信があるのに成果が出ない・・・こんな悩みを抱える中堅中小企業が多い。
売りたい売りたいと前面に出すため、先方も警戒心で対応する。営業を受けている側からすれば、この人は何をだまそうとしているのかなどと冷めた目で心中つぶやいているものだ。勿論、営業パワーを駆使して販売していくやり方は一般的であり、それを否定するつもりもない。
 ただ、これまでの活動を通じて知り合えたお客様や異業種交流会などで実感しているのは、商売を通じて「お互いにメリットを」という想いを持つ企業がいかに多いかということである。そしてその想いはここ数年、確実に増加している。
企業間競争は、企業成長力を培う原点であり、決してなくならない原理とも言える。
その上に立って企業間連携を行う試みは増加する一方であり、大企業から中堅中小企業へとすそ野が広がっているのである。
本コラムでは、企業間連携を「業務提携」と定義して話を進めていく。

2. 業務提携とは

 そもそも業務提携とは何であろうか?
 関連図書を通読しても、プレスリリースの定義を見てもかなり広範でありかつ用語の使い方が混沌としている状況であって、明確な定義・分類表を提示してくれるものはない。
 そこでまず私達は業務提携に関する定義から始めなければならなかった。定義することは、理解を容易にしてくれる。
 「業務提携」とは、「企業に固有な資源を持ち寄り、契約のもとで互恵関係を構築し行動すること」である。
 「業務提携」は、資本提携と抱き合わせでプレスリリースされることが多いが、資本交換のある、なしから区別して定義すると分り易い(図1)。
  企業が協力し合う形には、コラボレーション、業務提携、資本提携、M&A(企業売買)がある。大きくは資本交換がない、あるによって分けられる。また、コラボレーションは業務提携の一手段であり、資本提携は業務提携を前提としたより強固な手段であり、究極の手段がM&A(企業売買)と考えられる(図2)

図1 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

図2 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

では、業務提携はどのような手段(種類)で定義づけることができるのだろうか?
定義表を添付するのでご参照いただきたい(図3)。

図3 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

促携分類

3. 業務提携のメリット

 業務提携の特徴は、3つに要約できる(図4)。

1つ目は、商売をしていれば、誰もが可能性を持っている、すなわち参加可能であること。
2つ目は、手段として簡便であること。
3つ目は、業務提携の特徴そのもの、お互いが互恵関係であること。
これらのことから、業務提携はプレスリリースに登場するような大企業の専売特許ではなく、むしろ中堅中小企業こそチャンスが広がっているといえる。
では業務提携のメリットとは何であろうか?(図5)。

1つ目は、手段として短時間に成果を享受できること。
2つ目は、比較的低コストであること。
3つ目は、企業にとって一番大事なこと、それは低リスクであることだ。
企業経営が行き詰っている、例えば商品が思うように売れない時に、自社で一からマーケット調査や営業員を教育し、さらに商品の開発に着手してなどとやっていたらどうなるのか。恐らく全ての条件が整った時には既にいろんな意味で時代遅れになっているだろう。
それでも企業努力を続けていくことは非常に大事なことだが、「手段」の一つとして業務提携を活用すると、先ほどのメリットの全てが享受できるのである。
何もないところから顧客を獲得することの困難さは、筆者も経営者として身に染みている。だから、企業同士が得意なものを持ちより、「互恵関係」で活路を見出していくこと、
こんな優れた手段はほかに見出せないと言い切ることができるのである。

図4 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

図5 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

4. 業務提携で活路を開く

中堅中小企業が業務提携で活路を開いた例を見ながら、どんな企業にも業務提携を行うチャンスがあることを実感してもらい たい(図6)。
業務提携先を探していた食品製造小売会社は、当初自社の半製品ならびに商品の販売先を選定していた。それは、行き詰った経営(売上)を立て直すために販路拡大を狙ったものであった。これまで食品製造小売会社は地道な商品開発をしてきたし、店頭ではフェアを企画し、地元には愛されてきた企業だった。食品製造小売会社は地方都市に位置しているが故に、これ以上の業績伸長が困難な状況に陥ったのである。安定した業績といえばそうかもしれないが、店舗への再投資など考えるとどうしてもキャッシュフローが不足し、企業として劣化していくのは時間の問題であった。
働きかけたのは、全く縁のない他県のスーパーチェーンである。
なぜそうなったのか?

1つ目は、食品を販売する先として妥当であること。
2つ目は、エリア競合しない先であること。
3つ目は、これが一番大事なのであるが、経営理念を共有できたことである。
ではどのようにしてお互いが知り合えたのか?それは、後程述べる手順の中の、業務提携先の探索を専門業者に依頼し、効率的に業務提携を進めたからだ。業務提携を前提として、お互いができることを真摯に話し合った。その結果、業務提携の互恵関係に至った。食品製造小売会社は、商品・半製品はもとより、製造技術・開発指導、原材料共同仕入、フェア等店頭販促企画、ネームブランド、店舗レイアウト、製造・店舗管理を提供し、スーパーチェーンは、販売店舗、製造、接客、テナントスペースを提供することになった。食品製造小売会社にしてみれば、他県進出が当初から収益を生む市場として進出を果たしたことになった。一方のスーパーチェーンは、ほとんどコストをかけずに継続的な新商品投入やフェアノウハウの活用によって売上向上を果たしたのだ。注目すべきは、単純な仕入販売契約ではないという点である。これこそが、業務提携の神髄であり、醍醐味でもある。これらは資本提携なしに行われている点がもう一つ特筆すべき点だろう。なぜなら、中堅中小企業の大半がオーナー企業であり、よほどのことがない限り資本に他者(他人)の資本を入れないからだ。業務提携は、契約関係によって行うものであるから、正に中堅中小企業向けの経営戦略と言えよう。

図6 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

提携内容

成果

ポイント

5. 業務提携の進め方

最後に業務提携の進め方を解説する(図7)。
代理店制度、フライチャイズ制度などと区別して、4の事例のような業務提携を進めていく際の方法である。

図7 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

ステップ1は、業務提携の目標を認識すること。特に互恵関係の構築が前提である点に注意が必要だ。
ステップ2は、自社の業務提携Keyを整理する必要がある。業務提携Keyは少し解説が必要だ。4の事例図で見たように、業務提携は相手企業に提供する「モノ・サービス・ノウハウなど」がある。これが業務提携Keyである。商品・サービスは分り易いが、特徴的な生産管理方法であったりしてもかまわない。勿論、相手先企業にマッチするかどうかが問題となるが、それは後に確かめることとなる。
ステップ3は、業務提携先の選定である。実はこの方法は、現在のところ決め手がない。推薦したいのは、専門業者を積極的に使うことだ。それは、業務提携Keyの整理、選定のチャネルを広範に有しており、スピードと着実な進捗が得られるからだ。
それともう一つ、ステップ全体をリーディングし、業務提携先との間で中立な仲介者となり利害を調整できるからである(図8)。
 ステップ4は、業務提携候補先との基本合意、そしてステップ5で準備活動、ステップ6でようやく業務提携契約となる。
ここまでにどれくらい時間を要するのか、よくある質問であるが、3~6か月程度が経験則上の時間である。ただし、実際の果実はステップ7にあり、空中分解しないように進捗をしっかりと行うことが重要である。

図8 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

以上

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