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企業が再生に追い込まれる理由

1. 事業再生とは

 まずは言葉の定義として事業再生というものがどういうことを指すのかを図1を使って確認したい。事業再生は大きく3つに分類される。①私的整理、これは法律や公的機関等を活用せず、自社と専門家のみで再生計画書作成や債権者調整等を行い自力で再生するもので、自力再生や任意整理と呼ばれる。②公的整理、これはここ最近整備されたもので公的機関が事業再生に関しての見極めや再生計画書作成や債権者調整等の支援を行うもので、企業再生支援機構、事業再生ADR,中小企業再生支援協議会がある。③法的整理、これは裁判所へ申し立てし法的手続きとして事業再生を実施するもので、民事再生と会社更生がある。

図1:事業再生の体系 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

2. 金融がトリガーをひく

 企業が再生に追い込まれるときにはほとんどが資金繰りに問題を抱えている。資金が潤沢にあれば、敢えて事業再生に身を投じる必要はなく、改善・改革を行いながらそのまま事業を継続するか、事業を売却するか、円満に会社を清算すればよい。資金繰りが厳しいがゆえに、借入金返済のリスケジューリングや債権放棄、追加融資や資本注入等の対応が必要となり、経営 者自身が大きく傷つく事業再生か清算を選択せざる得なくなる。(清算の種類に関しては図2を参照)
したがって、金融機関との普段からの付き合い方が重要になってくる。金融機関との付き合いに関しては次の3つが重要なポイントである。①シンジケートローンは活用しない。多数の金融機関が参加して資金を出すシンジケートローンは、いざと言う時に話がなかなかまとまらず無駄な時間が過ぎてしまい、状況が一層悪化してしまう可能性が高くなる。よって、取引金融機関の数は増やしすぎず、個別の相対契約で借入を行うべきである。②担保の差し入れを極力抑える。金融機関との力関係からなかなか難しい問題でもあるが、特にメイン行の貸出債権(金融機関サイドから見た貸付金)の保全率(担保による貸出債権の回収率)が高いと金融機関自身の痛みが少ない分、再生に追い込まれる可能性が高い。③金融説明は手を抜くな。金融機関が通常取引の延長で支援をするためには、その企業の資金面での支援を行えば貸出債権が全額戻ってくると思えるものが必要となる。自社のビジネスの仕組みや経営改善の為に行っている改善施策の内容・その進捗状況等分かりやすく説明する必要がある。
ビジネス面で経営改善の可能性があるにもかかわらず、資金繰りによって再生や清算に追い込まれるケースが多々あるということをよく理解して頂きたい。

図2:清算の体系 (Copyright 2011 CODON Co.,Ltd)

3. 変化への対応(長期的視点)

企業が再生に追い込まれるかどうかは、ビジネス面において変化への対応ができるかどうかによる。これは長期的視点と短期的視点があり、長期的視点でみると、企業のライフサイクルに関係する。オールドエコノミーと呼ばれる企業はこれまで何十年も全く同じビジネスモデルで生きてきた。しかしながら、時代が変化しているにもかかわらず、従来と全く同じビジネスモデルでは商売が徐々に先細りし、淘汰(再生に追い込まれるか廃業する)されてしまう企業がでてきている。そのサイクルは近年どんどん短くなり、Web関連ビジネスにおいては立ち上げて数年以内に新しいビジネスモデルに移っていかないとその対象になってしまうという状況になっている。現状にあぐらをかかず、常に新たなビジネスモデルを模索していくという努力を行わなければ、企業に明日はない。

4. 変化への対応(短期的視点)

変化への対応として、もうひとつ短期的視点がある。これは3つのケースに分類される。①変化に気が付かなくて対応できなかったケース。残念ながら、これは市場からの退陣も止むを得ない。変化を事前に察知することは難しいことであるが、実際に収益の減少等自社の経営に変化が起きているのに気付かないというのは経営として致命的である。②変化に気が付いたが何も対応しなかったケース。じっと我慢していれば回復してなんとかなるのではないかと思い何もしない。または、どうしていいのかわからないから放置していた。再生に追い込まれた大半の企業がこのケースに当てはまる。そして、③変化に気が付いて対応も行ったが、その対応内容・対応方法が間違っていたケース。これは非常に残念である。対応内容・対応方法によってはそのような事態には至らなかった可能性があることを考えると、現状を正しく理解できる現状認識力と課題解決力が企業が生き残る上で非常に重要であることがよくわかるのではないだろうか。

5. 経営力をつける

経営力とは大きく以下の3つに集約されると私は考える。ひとつは、①ヒトを動かす人間力。経営はひとりで行っているものではなく組織で行っている。また、取引先や仕入先、借入先、株主など企業に関わる利害関係人も人間である。どんなにすばらしいことをやろうとしても、ヒトが理解し協力してくれなければ実現しない。よって、これは最も重要なものであると考える。次に、②現状認識力。前項4にあるように、必要な情報を正しく理解することが出来なければ判断を誤ってしまう可能性があり、そこから何が課題なのかということを把握できることが非常に重要であると考える。そして、③課題解決力。現状を正しく理解したら、そこにある課題をどのように解決したらよいのか考え、それを実際に行動に移していくことができなければならない。そのことによって、経営は一歩前に進むのである。したがって、経営者には、この3つを向上させ、再生とは遠い存在となって頂きたい。

以上

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